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2011.12.08

写真集『Fukushima〜』刷り出し

 

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『Fukushima 福島県双葉郡楢葉町1998-2006』の刷り出しに立ち会ってきました。
今回の印刷は、郡山市にある坂本印刷所にお願いしています。印刷は、被災地でがんばっている印刷所で行ないたいとの思いから、当初から福島県でと決めていました。
 
坂本印刷所は震災によって工場に多少損傷があったそうですが、現在は通常どおり稼働しています。
 
刷り出し立ち会いとは、台(印刷機に通すサイズにあわせてページを配置した用紙をこう呼びます)ごとに、刷りはじめの印刷の状態を確認する作業です。原稿(今回の場合はオリジナルプリント)と比較しながら細かな部分を検討します。
 
本書はオフセット4色印刷なので色ごとに版を作っていますが、この各色の版の色を調整し最終的な印刷の仕上げをおこないます。これまで何度か色校正をし、難しそうな図柄は関係者全員の頭の中に入っています。それらの気になる部分を重点的にチェックし、各ページの色のバランスを微調整していくわけです。
 
使用したインキは東洋インキのカレイドスコープという銘柄で、鮮やかな色彩の再現性にすぐれたもの。
装丁デザインをお願いしたグラフィックデザイナーの永井裕明さんが、このインキの良さを活かしつつ、絶妙かつ的確な指示によって各版のバランスをディレクションしていくのですが、刷り直しをするたびに色味がどんどんよくなっていくのには目が覚める思いでした。永井さんはオペレーターさんと直接話をされます。経験知と印刷への愛が半端じゃないのです。
 
写真家・市川さんがプラウベルマキナで撮影し、コダックの印画紙に焼いたオリジナルプリントはしっとりとした風合いが持ち味ですが、その良さがうまく表現された印刷となりました。
 
 
原稿が示しているニュアンスや色の方向性を、いかに適切に印刷物というもうひとつのメディアに移し替えていくかというところに、オフセット印刷のおもしろさと創造性があります。