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2015.06.23

「おいしい小麦ってなんだろう?」そして『パンの雑誌』

 

写真の小袋は、去る6月8日に開催された、「パンラボ」主宰のパンライター、池田浩明氏がプロデュースした『パンの雑誌』発売記念イベントのお土産です。

名付けて「湘南小麦テイスティングセット」。製粉会社「ミルパワージャパン」で湘南小麦を挽き、パンを焼く、伊勢原の「ムールアラムール」のシェフ本杉正和氏が挽いた、品種や挽き方が違う4種類の小麦粉なのです。

 

小麦テイスティングってまさかそのまま食べるってことだよね? と思っていたのですがそのとおりで、お作法は簡単。小さなスプーンで口に運び味わうだけ。イベントで池田さん、ゲストの「ル・ルソール」シェフ清水氏のテイスティングを拝見してコメントを聞き、帰宅してから食べてみました。

 

青:湘南小麦・チクゴイズミ

赤:伊勢原産・ユメチカラ

緑:湘南小麦ブレンドA

黄:湘南小麦ブレンドB

ただの小麦粉、されど小麦粉。それぞれの味わいがはっきりと異なることに、驚きました。それぞれの甘さ、香りにはっきりと主張がありました。ブレンドは挽き方の違いだけですが、味わいが異なるのです。

 

小麦粉だけでこんなに違うということは……パンができるまでには、たとえば粉のブレンド、ミキシング、発酵、成型、焼成といった工程があるのですから、仕上がりはまさに多様性の海、深く広大な可能性が広がっているということに思い至ります。

 

『パンの雑誌』第1号、盛り沢山の興味深い記事のなかでも、出色は「完全保存版 日本全国小麦MAP」でした。日本の小麦のフレーバーを徹底分析したり、日本では栽培不可能と言われていた原生種「ディンケル」栽培の物語、小麦についてのミニ知識集などなど。とれたて挽きたての小麦をあじわう「新麦コレクション」というイベントも始動するそうです。

 

より素材中心になっていく――これからの日本のパンの道のひとつが、はっきりと示されていました。

私が想像した多様性の海の豊饒は、小麦を栽培する農家、製粉する人、パンをつくり売る人、食べる人 etc.の皆で分かち合うものです。そのための智恵が求められているのですね。

パン屋を営む者として自らの知識不足を思い知り、ショックをうけましたが、今後勉強と行動を深めていきたいと決意しました。

おいしい小麦ってなんだろう?

その問いかけは、未来をつくることだと思います。 

『パンの雑誌』に感謝します。