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2012.03.07

巡回続ける写真展「日常」。今度は福島空港

 

写真集『Fukusima−福島県双葉郡楢葉町1998-2006−』の著者、市川勝弘が、写真集発行と前後して開始した写真展「日常」。写真集の中に収められた写真のオリジナルプリントを展示するこの展覧会は、昨年の9月5日〜11日に東京・南青山にあるスパイラルのエスプラナードで最初の展示がおこなわれた。写真展には東京に避難してきた楢葉町民の方なども来場し、涙を浮かべて立ち尽くす風景も見られたという。 

 

写真について市川は、「福島県の妻の実家に里帰りした時に撮りためた、どこにでも有りそうな農家の平凡な日常の風景。(それが)今、改めて大切なことと知った」と言う。その日常を忘れないために、続けられる限りこの写真展を続けていきたいとも。

彼の写真に感動した有志から展示の依頼がつぎつぎと舞い込んだ。

 

10月にはスパイラル地下にあるライブハウス、CAYで福島県富岡町出身のミュージシャン、渡辺俊美(猪苗代湖ズ)とのライブ&トークが実現した。写真を見せる環境にはベストではなかったが、それでも市川はオリジナルプリントを壁にマグネットで固定し、いくつか展示した。

 

10月4日から7日の4日間、渡辺は写真に囲まれて知人のミュージシャンらとライブ演奏をおこない、市川さんを交えてトークをおこなった。ふるさと福島のこと、震災のこと、原発のことなど。写真がきっかけとなり今までにないかたちの催しが生まれつつあった。

つづく12月には福島県郡山に呼ばれ、写真展とライブ&トークが実現。郡山駅前の商業施設ATI郡山の6階特設会場に1日から7日まで写真が展示された。

 

年が明けた2012年1月7日、再び渡辺俊美がホストを務めるライブ&トークがおこなわれた。会場では前回初めて公開したアルバカーキフィルムによる写真集のショートムービーも上映された。

1月23日〜2月4日、市川の故郷浜松市にあるザザシティ浜松の特設会場に写真展が巡回。ここから福島スマイルプロジェクトがスタートした。来場者のポートレートを撮影し、その場でプリントした写真に、写っている本人が福島の人に向けて言葉を書く、シンプルでストレートなプロジェクトだ。

 そして2月に入ると第3・4週にかけて東京原宿の積雲画廊で、被災地でアロママッサージのボランティアをおこなう「元気をおくるアロマ隊 手当の輪」のリクエストに応じて写真展を開催。福島スマイルプロジェクトも継続され、集まったメッセージ付きートレートは200枚を超えた。

こうして振り返ってみると、写真展「日常」は立派な美術館やギャラリーのそれとは少し違う。 「美術館や写真やアートとは縁のない人々に見てもらいたいから」と市川は言う。だからより気楽に見てもらえる商業施設の催事場など、どこでもできる展示のスタイルを考える。

オリジナルプリントは日の光に弱く、折れ曲がったりすると修復が難しい。しかし市川は、声がかかる限り、プリントの状態に支障が起こらない限り、ゲリラ的ともいうべきこの展示スタイルで、どこにでも写真を持っていくだろう。市川勝弘という写真家はそいういう写真家だ。

さて、写真展「日常」の次の舞台は福島空港である。

昨年末にATI郡山の展示をみた福島空港の方が気に入り、空港の復興を活気づけるためにと開催を決めた。展覧会初日には空港利用1000万人突破を記念するさまざまなイベントの一環として、渡辺俊美のライブ&トーク「日常」もおこなわれ、市川も出演する。飛行機が飛び立つのを眺めながら、失われた日常について、これからの日常について、そして福島について、考えるのもよいかもしれない。

 

市川勝弘写真展「日常」

会期:2012年3月24日(土)〜4月10日(日)

会場:福島空港国内線2階出発ロビーにて 

問い合わせ: 福島空港利用促進協議会事務局(福島県空港交流課内)024-521-7127


関連サイト

渡辺俊美ライブ&トーク「日常」

http://www.studiovoice.jp/?p=17495

http://www.tokyoartbeat.com/event/2011/D075

http://www.spiral.co.jp/c_profile/press/pdf/press_20110902_ichikawa.pdf

写真展「日常」ザザシティ浜松会場

http://zazacity.hamazo.tv/e3428453.html

http://www.vivere.jp/topics/201201/post_7.php

http://www.at-s.com/news/detail/100094879.html