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2009.06.29

キュウリの旅

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この企画を思いついたのは、2001年に東京オペラシティーアートギャラリーで開催された『出会い』展に出品していた同名の作品を見たのがきっかけだ。作品が最初に発表されたのは2000年で、イギリスはバーミンガムのアイコン・ギャラリーという美術館でのグループ展においてであった。その年の夏、島袋はロンドンからバーミンガムまでボートで旅をしながらキュウリのピクルスを作り、その体験をドキュメント映像として展示したのだった。

東京ではじめてこの作品を見たときに感じたのは、「行為」という形のないものを見えるものに置き換えることに才能を発揮する、若い作家の発想と表現のみずみずしさだった。キュウリのピクルスを作る行為はだれにでもできることだけれど、美術作品としてみせることができるひとは、そうはいない。
作品を見た後、なんだかほんわかと暖かい気持ちになった。そうだ、この作品が絵本になったら、美術館で味わった感動を手元に置いていつでもひもとくことができる。そんなわけで、《キュウリの旅》は小学館から同時に3冊出したアーティストによる絵本の企画の出発点となった。
絵本作りに際しては写真家の野口 里佳が協力してくれた。写真のみならず、一部、絵も描き下ろしている。ほかにも、イギリスで入手した独特な色紙に原画を描いたり、文字組を工夫するなど、作者の縦横無尽なアイデアによって、空間展示のときとは異なる、本という形式ならではのアプローチが満載の一冊になった。

作 島袋 道浩
英訳 ジュリエット・カーペンター
装幀・デザイン 伊丹 友宏(イットイズデザイン)
協力 野口里佳、エミリー・ワトキンス
企画・編集 カワイイファクトリー、小学館
印刷所 日本写真印刷株式会社
製本所 株式会社難波製本
発行年 2004年
発行所 小学館
ISBN4-09-681741-4


関連サイト島袋 道浩